<更新手数料>(1)
(質問)
家主に支払う更新料以外に、管理会社から更新手数料の請求が来ました。
契約書のどこにも記載がないので拒否したいのですが、
業者は「更新手数料を支払わなければ更新しない」と言っています。
どうすればよいのでしょうか?
(回答)
手数料は、本来、業務の依頼をした人が、依頼を受けた人に対して、その業務量に応じて支払うべきものです。
もともと、契約の更新は、家主と借主との間で行うものですが、家主が自ら更新手続きを行うことをわずらわしく思い、家主の代理人として管理会社に業務を委託することがよくあります。
従って、家主は、管理会社に、契約更新の手数料を支払うことになります。
借主の立場から言えば、契約更新の手続きに関しては、誰にも委託したわけでなく、
本来、家主との間で行うべき作業を、家主の代理人である管理会社と行っているわけですから、管理会社に、更新手数料を支払う理由は一切ないはずです。
管理会社は、更新手数料を家主から受け取ればよいのですが、中には、家主から得る更新手数料以外に、借主からも何の合理的な理由もなく、更新手数料を請求している業者もあるのです。
本来、支払うべき理由もないのに、手数料を徴収するというのは、不当利得に当たりますので、支払う必要もありませんし、支払った手数料の返還も請求できると思います。
なお、契約書に、更新手数料を支払う旨の記載がある場合はどうなるかということですが、賃貸借契約書は、家主と借主との間の取り決めですから、そこに記載された第三者への手数料の支払いは契約内容として有効かどうかという問題があります。
契約書に、更新手数料が明記されている場合についても、ほとんどの場合、特約としては認められないでしょう。
<更新手数料>(2)
(質問)
家主に支払う更新料以外に、管理会社から更新手数料の請求が来ました。
そこで、契約時の書類をよくみると、重要事項説明書にはその旨が書かれていました。
このような場合、更新手数料の支払いを拒否することはできないのでしょうか?
(回答)
契約更新に当たって、借主が更新手数料を支払う義務はないことは、前回で述べたとおりです。更新手数料の支払い義務に関して、仲介業者で受けた重要事項説明書で記載されている場合にどうなるかということです。
重要事項説明書というのは、契約前に、借主が契約するかどうかの重要な判断をするに当たって、必要となる重要な判断ポイントを記載した文書であり、宅地建物取引業法で定められたものです。
この重要事項説明書に記載されている意味ですが、それは、法律上、記載が求められた、「賃料以外に授受されるお金」として記載されているという意味しかありません。それは、借主の利益のために記載されているだけであり、借主のお金の支払い義務を定めたものではないのです。
逆に言えば、重要事項説明書に記載されていることを盾として、更新手数料の支払いが義務づけられることはあり得ないのです。
(サブリース問題研究会)